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暗黒物質探索実験の感度がニュートリノ散乱バックグラウンドによる検出限界に近づきつつある。この壁を超えるには、方向感度を持った検出器を開発し、白鳥座方向からくる暗黒物質の特徴をとらえる必要がある。これまで方向感度検出器として、主にガス飛跡検出器の開発が行われているが、核子との断面積10-49cm2以下の領域に到達するにはどうしても質量が稼げない。したがって大型化可能な固体方向感度検出器を実現すればブレークスルーとなる。本研究では、暗黒物質探索に有利な重い原子核をもったZnWO4単結晶シンチレーターの発光の粒子入射方向依存性を検証し、将来大型化して暗黒物質の方向情報からの検出を目指した開発を行う。また、67Zn,183W等の二重ベータ崩壊核種も含有しており、二重ベータ崩壊探索への応用可能性も探る。