研究内容

ニュートリノや陽子崩壊探索の実験的な研究を行っています。
スーパーカミオカンデ、T2K実験などを中心に、次世代計画の ハイパーカミオカンデの準備にも携わっています。

・ニュートリノ・原子核散乱

大気ニュートリノや加速器ニュートリノ実験では、 ニュートリノが原子核中の核子や水素原子と反応 して生成した粒子を観測することで、ニュートリ ノの種別やエネルギーを推定(再構成)していま す。実際の実験解析ではシミュレーション結果と データを比較することで、ニュートリノ性質を 探っています。 このため、ニュートリノ・原子核散乱の正確な 理解と、それに基づいたシミュレーションプロ グラムが必要となります。
(ニュートリノ・原子核散乱のページ)

・ニュートリノ振動研究

スーパーカミオカンデにおいて観測される大気ニュートリノや、 J-PARCからの加速器ニュートリノの観測データを用いて、 ニュートリノの性質に迫ろうとしています。 現在は、ニュートリノと反ニュートリノの振動に違いがないか をしらべることで、宇宙に物質だけが残った(反物質がほとん どない)理由に迫ることができるのではないかと考えられてい ます。また、どのニュートリノが一番重いのか(軽いのか)も わかると考えられています。
(ニュートリノ振動のページ)

・陽子崩壊探索

陽子は1GeVという大きな質量を持つにもかかわらず安定で、 崩壊は観測されていません。 しかし、「強い相互作用」と「電弱相互作用」を統一する 「大統一理論」が正しければ陽子が崩壊する可能性がでて きます。 現在は、スーパーカミオカンデを用いて陽子崩壊を探索して います。また探索範囲を大幅に広げるため、ハイパーカミオ カンデを用いた探索の準備をしています。
(陽子崩壊探索のページ)

・ニュートリノ実験用エレクトロニクス・データ収集システム開発

実験においてデータを取得するには、センサーからの信号を デジタル化するエレクトロニクスと、エレクトロニクスから のデータをコンピュータで読み出して記録し、解析用のソフ トウェアを適用可能にするデータ収集システムが必要です。
スーパーカミオカンデ用のシステムを開発・改良している ほか、ハイパーカミオカンデ用システムの研究開発を行って います。 (ニュートリノ振動データ収集システム開発のページ)

連絡先:

〒506ー1205
岐阜県飛騨市神岡町東茂住456
早戸 良成 (e-mail: hayato at icrr.u-tokyo.ac.jp )