研究紹介

本施設は全国共同利用施設として、地下空間を提供する形で共同利用・共同研究を行っております。

現在、本施設を利用している主な共同利用・共同研究は、スーパーカミオカンデ実験、暗黒物質直接探索、重力波グループCLIO実験、NEWAGE実験、CANDLES実験です。

共同利用研究の公募は毎年、宇宙線研究所が行っています。

共同利用研究紹介

  • スーパーカミオカンデ

    スーパーカミオカンデ実験は5万トンの水タンクでニュートリノなどの素粒子の性質を調べる実験です。1991年から5年間にわたる建設期間を経たあと、1996年4月より観測を開始しました。スーパーカミオカンデは東京大学宇宙線研究所神岡宇宙素粒子研究施設を中心に、日本、米国、ポーランド、韓国、中国、スペイン、カナダ、イギリス、イタリア、フランスの約40の大学、研究機関との共同研究で行われています。

  • 暗黒物質直接探索

    宇宙は何からできているのかは最も基本的な質問の一つで、それらの殆どが原子や分子でないことが知られています。その正体は謎ですが、身の回りを飛び交っていると考えられており、暗黒物質またはダークマターと呼ばれます。実験室に用意した検出器で直接捉えて研究するため、①イタリアで進行中の世界最高感度での探索実験XENONnTに参加し世界初の発見を目指す研究と、②暗黒物質の入射方向までとらえられる検出器など次世代の検出器の開発研究を行っています。

    すでにデータ収集や実験的活動は完了していますが、XMASS実験も暗黒物質直接探索のため国内最大級の規模で活動していた実験です。

  • 重力波グループ

    神岡の地下の低地面振動環境を生かし、ブラックホールが誕生する瞬間などから の重力波を直接検出する研究を行っています。 基線長100mのCLIOによる実証研究の成果を受け、現在スーパーカミオカンデやCLIOがある同じ池ノ山の地下環境で、基線長3kmのKAGRA重力波望遠鏡を建設中です。

  • NEWAGE

    神戸大学・大学院理学研究科物理学専攻・粒子物理研究室を中心としたNEWAGE実験は、地球にふき付ける「暗黒物質の風」をとらえようとしている次世代型暗黒物質探索実験です。暗黒物質は銀河系に満ちているので、地球がその中を動くと、暗黒物質の風が私たちに吹き付けている様に感じられます。

  • CANDLES

    現在の物質優位の(反物質が無い)宇宙の成り立ちの謎を解くには、ニュートリノの性質を理解することが重要であると考えられています。
    大阪大学のCANDLES実験では、ニュートリノが粒子と反粒子が転換できるマヨラナ粒子であることを検証するために、大量の蛍石(フッ化カルシウム)を利用するCANDLESという装置を用いてカルシウム48の二重ベータ崩壊の研究を行っています。