スーパーカミオカンデへのガドリニウム追加を開始しました

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スーパーカミオカンデは、2020年7~8月、ニュートリノ観測感度の向上や「超新星背景ニュートリノ」の世界初観測を目指し、タンク中の純水にレアアースの一種であるガドリニウムを加え、新たな観測をスタートしました

2020年は0.01%の濃度でガドリニウム導入し、これまでデータ取得を行ってきました。導入後もタンク中の水の透過率は導入前とほとんど変わらず、90m近い値を維持し、期待通りのデータが取得できています。

2022年6月1日、2回目のガドリニウム導入作業を開始しました。

今回の導入では、2020年の2倍となる、硫酸ガドリニウム八水和物26トンを溶かす予定です。今回使用する硫酸ガドリニウムは、前回より高純度に、より均質に開発したものです。さらに溶解装置を改良し、導入速度を2倍に上げることが可能になったため、前回同様約1ヶ月で導入が完了する見込みです。

これまでの0.01%の濃度では、ガドリニウムが中性子を捕獲する効率は50%でしたが、今回追加導入により0.03%のガドリニウム濃度となり、中性子捕獲効率が75%まで到達します。つまり、これまでの1.5倍の感度で超新星背景ニュートリノを捉えることができようになります。

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硫酸ガドリニウム八水和物を送粉機へ投入
溶解タンクで高速循環しながら溶解
導入の様子をモニターでチェック

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