博士課程3年の三木さんと博士課程1年の神長さんが日本物理学会学生優秀発表賞を受賞

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2024年9月に開催された日本物理学会において、博士課程3年の三木信太郎さんと博士課程1年の神長香乃さんが学生優秀発表賞を受賞されました。

三木さんは、口頭発表「SK-Gdでの中性子検出を用いた大気ニュートリノ振動解析」を行いました。スーパーカミオカンデ検出器水にガドリニウムを添加したSK-Gd実験では、中性子検出効率の向上が期待されます。その改善が大気ニュートリノ振動解析における質量階層やニュートリノ振動パラメータの測定感度の解析に与える影響について報告しました。

三木さんの受賞のコメント:

修士課程の頃から4年間ほどかけて取り組んできた研究のまとめとなるような発表だったので、このような形で評価していただくことができ大変嬉しく思います。私の大学院入学とほぼ同時に始まったSK-Gd実験の性能を、より高める研究ができたのかと思うと感慨深いです。共に研究を進めご指導いただいた周りの方々に心より感謝いたします。

 

 

神長さんは、「XENONnT実験における85Krのバックグラウンド評価(3)」と題して口頭発表を行いました。

キセノン(Xe)を用いた大型暗黒物質探索実験XENONnTでは、暗黒物質や太陽ppニュートリノの信号などの稀事象を探索しており、精度の良い背景事象推定が必要となります。背景事象源の一つである、Xeに含まれるクリプトンの放射性同位体85Krの量をより正確に測定するため、85Krの稀崩壊事象から求める方法と結果を報告しました。

 

神長さんの受賞のコメント:

XENONnT実験は暗黒物質の探索を世界的にリードしている実験です。神岡で行われていたXMASS実験の技術によって高い探索感度を実現しており、本研究はその一つであるKr蒸留による背景事象低減の効果を最大限に生かすため取り組んだものでした。今回このような賞をいただくことができたのは気にかけてくださる方々に恵まれた研究環境のおかげです。ご指導いただいた全ての方に心から感謝申し上げます。

 

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