Atmospheric neutrino oscillation

宇宙を飛び交う高エネルギーの陽子など一次宇宙線が 大気に衝突することで、π粒子などが生成、これが崩壊 することで、大気ニュートリノが生成します。 1GeV 以下のエネルギー領域では、電子ニュートリノが 1に対して、μニュートリノが2の割合となっています が、高エネルギーでは、μニュートリノの割合は高く なります。

大気ニュートリノ生成の模式図 大気ニュートリノのエネルギー分布
大気ニュートリノは地球上のあらゆる場所で生成して いるため、上向き、下向きともほぼ同数の観測が予想 されます。(実際には地磁気の影響で若干の違いが みられます) しかし、大気ニュートリノ中のμニュートリノの数に おおきな上下非対象性があるという観測結果が得られ、 これがニュートリノ振動の発見につながりました。 大気ニュートリノは 電子ニュートリノ、ミューニュートリノ、ニュートリノ 反ニュートリノ、すべてが含まれているばかりでなく、 広いエネルギー分布をもちます。 また、その飛行距離も数十kmから、最大13000kmまで と様々です。 よって、大気ニュートリノを精密に測定することで ニュートリノ振動を様々な形で調べることが可能と なります。 現在は、電子ニュートリノと反電子ニュートリノの 振動の小さな違いを調べることで、どのニュートリ ノが一番重いのか(質量階層性問題)を調べるための 研究を行っています。 このためには、多くの統計が必要なため、これまで 使えていなかった検出器内の領域の事象も解析に とりいれるための研究を行っています。 水チェレンコフ型検出器では、ニュートリノと 反ニュートリノの区別が簡単ではないのですが、 粒子の方向や運動量の違いを用いてこれらを区別 するため、様々な手法を研究しています。 最近では、ニューラルネットを用いた手法も導入を 検討しており、ソフトウェアの開発や試験なども 行っています。
2020年には水中にガドリニウムを混ぜることで 高い効率での中性子の同定が可能となります。 中性子の情報は、ニュートリノ・反ニュートリノ の区別や反応種別の同定、エネルギー推定精度の 向上などに役立つと考えられています。 これに対応した、シミュレーションプログラムや 解析プログラムの開発と、これらを用いた解析の 準備を行っています。