Neutrino-nucleon/nucleus interaction simulation library

ニュートリノが原子核中の核子と散乱(反応)すると、 さまざまな粒子が生成します。大半の実験において、 ニュートリノの観測とは、生成した粒子を観測する ことにほかなりません。 このため、検出器においてニュートリノがどのよう な粒子を生成し、検出器においてそれらがどのよう に観測されるかを知る必要があります。 ここにおいて、ニュートリノ・原子核散乱のシミュ レーションプログラムが用いられます。 ニュートリノ・原子核散乱は、実際には ニュートリノと原子核に束縛された核子の散乱の 反応をシミュレーションする部分と、散乱から 生成した粒子が原子核中でどのような反応を起こす かをシミュレーションする部分に大別されます。 これらを行うシミュレーションプログラムの開発 と精度(性能)評価を行っています。 ニュートリノのエネルギーによって、粒子の生成数 や種類は 大きく変化します。反応をいくつかの種類にわけ、 それぞれについて、異なる理論模型を用いて シミュレーションを行っています。 開発においては、新たな模型を理論グループなど と協力しながらシミュレーションプログラムに 取り込むばかりでなく、シミュレーション結果を さまざまな実験データと比較、模型のパラメータ の最適化したり、理論模型を評価するほか、これ らの結果に基づいて模型の改良なども行います。 精度評価は、シミュレーション結果がどの程度の 誤差を持つかについて、やはりデータとの比較を 通して評価を行います。これがニュートリノ振動 の解析において用いられる系統誤差評価の重要な 入力情報となります。

NEUT

NEUT はスーパーカミオカ実験用に開発され、 その後にK2K、SciBooNE、T2K実験などで標準と して利用されているシミュレーションプログラム パッケージです。現在はスーパーカミオカンデ およびT2K実験グループのメンバーが複数の理論 グループの協力を得ながら開発しています。 大気ニュートリノ実験に利用するため、100MeV 程度から10TeV以上のエネルギーのニュートリノ 反応をシミュレーションすることが可能です。 いわゆる「オープンソースソフトウェア」では ありませんが、海外の実験グループにも提供して おり、ArgoNeut、MINERvA実験などでは論文にも 利用されました。また、これ以外の複数の実験 グループでも利用され始めています。 この開発を主導しており、新たなモデルの導入 や評価を行っています。