将来計画

検出器の大型化とセンサーの改良

現在運転しているのは約1トンの液体キセノンを用いた検出器(XMASS-I)ですが、現在までダークマターが検出された証拠を掴んでいません。

 

原因としては、検出器が小さいため、ダークマターが原子核や電子に衝突する頻度が少ないことが考えられます。ダークマターの発見を目指すためには、より大きな検出器を用いてダークマターが原子核や電子に衝突する頻度を増やし、かつダークマターと見誤るノイズ事象を減らして感度を向上する必要があります。これを実現するために、約5トンの液体キセノンを用いて大幅な感度の向上を計画(XMASS-1.5)しています。

 

ノイズ事象を減らすために様々な改良を施しますが、その中で最も大事な改良点は光電子増倍管(光のセンサー)の改良です。現在運転中のXMASS-Iでは、「検出原理」に述べたように六角形の光電子増倍管を用 いていますが、写真のようなドーム状のガラス面を持つ光電子増倍管を用いることにより、側面から到達する光についても感度を持つことができるため、ノイズ事象を何桁も減らすことができると期待しています。現在、光電子増倍管の開発はほぼ完了しており、検出器の詳細なデザインを進めているところです。

 

新たに改良したXMASS-1.5用の光電子増倍管。光を検出するガラス面をドーム状にすることにより、ノイズ事象を大幅に減らすことができます。

 

さらなる大型化により多目的宇宙素粒子検出装置を目指す

実験グループでは、ダークマターだけでなく、スーパーカミオカンデでは観測できない低エネルギー太陽ニュートリノの観測や、ニュートリノの質量を測定する2重ベータ崩壊の研究を進めたいと考えています。

 

最終目標としては20トン程度の液体キセノンを用いたXMASS-IIを計画しています。それを用いれば低エネルギー太陽ニュートリノを一日に10〜20事象観測できると考えられています。2重ベータ崩壊の研究は、ニュートリノの質量の絶対値や、ニュートリノの性質を決めるために非常に重要な研究です。

 

このように、XMASS液体キセノン検出器は多目的の宇宙素粒子検出装置になると期待されています。

 

▲ページトップへ