太陽ニュートリノ

太陽ニュートリノとは

太陽が輝くエネルギー源は、太陽中心部で起こる核融合反応によるものです。4個の水素原子核(つまり陽子)から1個のヘリウム原子が作られると同時に電子ニュートリノも生成されます。(4p → He + 2e+ + 2νe)ここで放出されるニュートリノを太陽ニュートリノと呼んでいます。

 


ニュートリノで見た太陽。太陽中心から
ニュートリノがやってくるのが分かります。

太陽中心で起こった核融合反応による熱が太陽表面に現れるまで10万年ほどかかるといわれています。一方、ニュートリノは他の物質とほとんど反応しないので、太陽中心で生まれたニュートリノは地球までおよそ8分で到着します。つまり、光では10万年前の太陽の活動を見ていることになりますが、ニュートリノでは太陽内部をほぼリアルタイムで見ることができるのです。

 

太陽ニュートリノの数が足りない

太陽ニュートリノの観測は、1960年代後半からアメリカのR.DavisらによるHomestake実験で始まりました。Homestake実験では、太陽ニュートリノが塩素原子核に衝突してアルゴン原子核に変わる反応を利用して、太陽ニュートリノを観測しました。実験の結果、太陽モデルから予想される値に比べて約30%しか観測されませんでした。その後、Kamiokande実験や他の太陽ニュートリノ観測実験が始まり、太陽ニュートリノを観測しましたが、いずれの実験でも観測値は予想値の約30-50%という結果になり、「太陽ニュートリノ問題」として長年にわたり研究者を悩ませました。

 

太陽ニュートリノ問題の解決へ

スーパーカミオカンデは、2000年6月にこれまでにない高い精度で太陽ニュートリノの強度、スペクトルの時間変化の結果を出しました。その結果、やはり太陽ニュートリノ強度は、理論で予想されるよりも約45%しかないことを99.9%以上の確からしさで確認し、太陽ニュートリノ問題がニュートリノ振動によるものであることを示唆しました。それだけでなく、非常に高い精度のスペクトル測定や昼夜の時間変化の情報を加えると、ニュートリノ振動を起こす原因となる、質量差、ニュートリノ同士の混ざり方に大きな制限を与え、混合の割合が大きいことを示しました。

 

2001年6月には、カナダのSNO実験のデータを合わせて、2つの実験データだけからニュートリノ振動が起こっているという確実な証拠が示されました。また、同時に太陽モデルから計算されたニュートリノの強度も正しかったことが確認されました。

 

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