検出器全体について

スーパーカミオカンデ検出器は、約5万トンの純水で満たされた円筒型タンク(直径39.3m、高さ41.4m)、水および空気の純化システム、光電子増倍管(PMT)、 エレクトロニクスおよびオンラインデータ取得システム、オフライン計算機施設、等 から成っている。 図1は検出器の概観である。岐阜県神岡鉱山の地下 1000m(2700mの水相当)に設置されている。緯度と経度は36°25'N、137°18'Eである。

 


図1:検出器の概観。
右下の挿入図は山の内部での位置を示している。

検出器が地下にあるのは、ニュートリノ観測の邪魔になる宇宙線ミュー粒子から遮蔽するためである。地上と比べると、スーパーカミオカンデ検出器の深さでは、ミュー粒子の強度は10万分の1に減っている。それでもスーパーカミオカンデ検出器では、1秒間に約2回の頻度でミュー粒子が検出される。

 

検出器上部の天井や周囲の壁は、カナダUrylon社でつくられたポリウレタン製のマインガードで覆われていて、岩石から放出されるラドンガスを遮断している。

 


図2:光電子増倍管を取り付ける構造体。
内水槽と外水槽の仕切りとなっている。

2槽構造の水タンク

水タンクはステンレス鋼でできていて、タンク内は図2のようなステンレスの構造体で内水槽と外水槽に分けられ、光を通さない構造になっている。二槽式になっている理由は、主に タンクの外からやって来るミュー粒子を識別するためと、岩石からのガンマ線や中性子が内水槽に侵入できないようにするためである。

 

内水槽には、内向きに直径20インチ(約50cm)の光電子増倍管が70cm間隔で約11,000本配置され、PMTがカバーする面積(光感域)は全表面積に対して約40%である。光電子増倍管以外の壁面は、黒色ポリエチレンテレフタレートのシートで覆われ、内水槽での光の反射や外水槽への光の侵入を防いでいる。

 

外水槽側には、内水槽光電子増倍管12本を単位とするセットに対応して、そのちょうど裏側に2本の直径8インチ(約20cm)の光電子増倍管が外向きに1,885本配置されている。 それぞれの外水槽光電子増倍管の周囲には、光感域を広げるために波長変換剤(wavelength shifter)の板がある。また、さらに光の検出効率を上げるために、外水槽の光電子増倍管以外の壁面は反射率約 80%のDuPont社の白色タイベックシートで覆われている。

 

水槽全体 大きさ
容積
直径39.3m×高さ41.4m
5万トン
外水槽 厚さ

容積
天井部・底部 2.6m
側面 2.75m
1万8千トン
内水槽 大きさ
容積
直径33.8m x 高さ36.2m
3万2千トン
有効部分 厚さ
容積
内水槽の壁から2m内
2万2千トン

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