背景1
背景2

検出器について

検出器の構造

水タンク

水タンク


スーパーカミオカンデ検出器は、直径39.3メートル、高さ41.4メートルの円筒形のステンレス製水タンクとその壁面に設置された光電子増倍管と呼ばれる光センサーから構成されています。

水タンクは2槽式になっており、5万トンの超純水で満たされています。内側のタンクを内水槽、外側を外水槽と呼んでいます。内水槽と外水槽の間は、光を通さないように仕切られています。内水槽の壁には、タンクの内向きに光電子増倍管が取り付けられており、外水槽の壁には外向きに光電子増倍管が取り付けられています。外水槽は主に、宇宙線ミューオンや岩盤などから放出されるガンマ線などのノイズを判別するために設置されています。

常にデータを取り続ける必要があるため、タンクのふたをあけることは基本的にありません。タンク内の写真は、建設当時のものや、修理などの作業時に撮影されたものです。

タンク内部写真
光電子増倍管(内水槽)

光電子増倍管(内水槽)


スーパーカミオカンデの内水槽には内向きに光電子増倍管と呼ばれる光センサーが、11,129本取り付けられています。水中を走った荷電粒子から発するチェレンコフ光をこの光センサーでとらえます。チェレンコフ光の大きさと光をとらえた時間という2つの情報から、荷電粒子のエネルギーや方向を決定します。この光電子増倍管は浜松ホトニクスと共同で開発したもので、光を受ける光電面の直径が約50センチメートル(20インチ)と、世界最大となっています。

内水槽天井部の光電子増倍管

2001年11月に、光電子増倍管の約半数が破損してしまうという事故が起きました。1個の光電子増倍管が破損した衝撃波が、水を通して他の光電子増倍管に伝わったことにより、多数が破損してしまいました。

2002年以降は、例え1個の光電子増倍管が破損しても破損が連鎖しないよう、アクリルとFRP(繊維強化プラスチック)からなる衝撃波防止ケースをかぶせてあります。

内水槽の光電子増倍管は、70センチメートル間隔で設置されており、壁面の約40パーセントが光電面で覆われています。光電子増倍管の間の部分は、黒いシートで覆われており、外水槽からの光を遮断しています。

光電子増倍管
光電子増倍管(外水槽)

光電子増倍管(外水槽)


スーパーカミオカンデの水タンクは2槽式構造をしています。外水槽には、外向きに光電子増倍管が1,885本取り付けられています。内水槽の光電子増倍管よりは小さく、直径は約20センチメートル(8インチ)です。外水槽の光電子増倍管は、より多くの光を集めるための一辺60センチメートルの波長変換プレートの中央に設置されています。また、壁面には白い反射シートが張られ、さらに集光効率を上げています。

外水槽の主な役割は、ニュートリノと宇宙線ミューオンを区別することです。ニュートリノ観測にとって、空から降ってくる宇宙線ミューオンは邪魔なノイズになります。ニュートリノは電気的に中性のため、ニュートリノが水と衝突したときに初めてチェレンコフ光を放出します。一方、宇宙線ミューオンは電荷を持っているため、外からスーパーカミオカンデに入ってきて水中を走るとチェレンコフ光を放出します。そのため、宇宙線ミューオンの場合は外水槽の光電子増倍管が光を感知することが多いですが、ニュートリノの場合は外水槽の光電子増倍管が光を感知することはあまりありません。この違いを利用して、ニュートリノと邪魔なノイズを大まかに区別することができるのです。

外水槽の主な役割
エレクトロニクスハット

エレクトロニクスハット


タンク上部にある4つの小さな部屋には、光電子増倍管から送られてくる信号から情報を取り出すための電子回路や、光電子増倍管にかける高電圧電源などが設置されています。

光電子増倍管には、約2,000ボルトの高電圧がかけられています。約13,000本の光電子増倍管からの信号は、70メートルケーブルを経由して、4つのエレクトロニクスハットに設置されている、電子回路に送られます。

この電子回路では、光電子増倍管からのアナログ信号を処理して、光電子増倍管が受けた光の量と光を受けた時間についての情報をデジタル情報として取り出します。スーパーカミオカンデのデータ取得システムは、2008年9月に一新されました。新しいシステムでは、1秒間に各光電子増倍管につき約4,500回ある信号のすべてを記録して解析に利用しています。一日に取得するデータ量は約500ギガバイトにもなります。

スーパーカミオカンデのデータ取得システム
純水製造装置

純水製造装置


スーパーカミオカンデ検出器のタンクは5万トンの超純水で満たされています。検出精度をあげるため、水をきれいに保つことはとても重要です。

スーパーカミオカンデの水は、もともときれいで豊富な地下水を利用していますが、さらに小さなチリやイオン、バクテリア、放射性物質などを取り除くことで、チェレンコフ光の吸収や散乱が抑えられたり、水に溶け込んだ放射性物質からのノイズを減らしたりすることができます。タンク内の水は常に循環精製され、1ccあたり、1万分の1ミリメートル以上のごみが100個以下に抑えられています。

純水製造装置
タンク上部

タンク上部


タンクの上部は、エレクトロニクスハットや検出器の較正に必要な装置が置かれています。また、天井はドーム状になっており、真上を覆う高さ1000メートルの山の重みによる圧力を分散させています。

鉱山の岩盤中に含まれる放射性物質は、ニュートリノの観測にとって邪魔なノイズになります。したがって、天井や廊下の壁は、ポリウレタン製のマインガードで覆われており、岩盤から放出される放射性物質の混入を防いでいます。さらに、タンク上部の空気に含まれる放射性物質もノイズの原因になるので、鉱山の外から放射性物質が含まれていない空気を送り込んでいます。

SKドーム
コントロールルーム

コントロールルーム


スーパーカミオカンデは、24時間365日休まずデータを取り続けています。その間は常に研究者が検出器の状態を監視し、データのチェックを行っています。この部屋では、朝8時半から夕方16時半まで当番の研究者が2人体制で、さまざまなチェックを行っています。その他の時間帯は、地上の研究棟から同じように監視を行っています。

コントロールルーム