検出原理


スーパーカミオカンデにニュートリノが
入ってくると、リング状のチェレンコフ光が
観測される。

スーパーカミオカンデ実験は、約13,000本の光電子増倍管が取り付けられた巨大な水のタンクを用いて、主にニュートリノなどの観測研究を行っています。

 

5万トンの水が標的

ニュートリノは電荷をもたず、なんでもすり抜けてしまうため、検出が非常に困難です。しかし、確率が低いけれどもごくまれに物質に衝突し(相互作用し)、荷電粒子を叩き出します。放出された荷電粒子は観測することができるので、大量の標的(この場合は5万トンの水)を置いておけば、ニュートリノが水中の核子や電子に衝突する回数が増え、観測できる量も増える、ということになります。

 

13,000の目でチェレンコフ光を見る

あひるが水面を進むと水面波が生じる

ニュートリノが叩き出した荷電粒子が、水中の光の速度よりも速く水中を走ると、チェレンコフ光が放出されます。この現象は、水面を進むアヒルが、水面波の速度よりも速く進んだときに斜めの波が出る現象に似ています。

 

放出されたチェレンコフ光は、荷電粒子の進む方向に対して円錐形に放出されます。水タンクの壁に取り付けられた光電子増倍管は、このチェレンコフ光をキャッチします。光電子増倍管からは、受けた光の量と光を受けた時間についての情報が得られます。それらを元に、荷電粒子のエネルギー、進行方向、位置、粒子の種類を決定します。

 

チェレンコフ光の発生

ミューオンニュートリノ

 

左の図は、スーパーカミオカンデでとらえたミューオンニュートリノイベントのディスプレイです。色のついた点は光電子増倍管が受けた光の量の大きさを表しています。ミューオンが放出したチェレンコフ光が壁にリング状に投影されています。

なぜ地下1000メートルで実験するのか

地球には絶えず、宇宙から主に陽子からなる(一次)宇宙線が降り注いでいます。宇宙線が地球上の大気と衝突すると、ミューオン、電子やニュートリノなどの粒子が生成され、これらを二次宇宙線と呼びます。地中にもぐると、多くのミューオンは土の中でエネルギーを失って止まります。一方、ニュートリノは物質とほとんど反応しないので、土の中でも止まらずに突きぬけます。

 

このようにして、検出器の上にかぶさっている山が、雨を避ける傘のような役割を果たし、ニュートリノ観測に邪魔な宇宙線ミューオンをさえぎっているのです。地下1000メートル深く潜ることによって、宇宙線ミューオンは地表の約10万分の1にまで減少します。

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