水の透明度 - 直接測定

+水の透明度 ー 直接測定  +崩壊電子による測定   +貫通ミュー粒子による測定

水の透明度

スーパーカミオカンデでは、チェレンコフ光の走る距離は最長60m に達する。水中のチェンレコフ光の減衰がエネルギー決定に影響するので、水の透明度は精密に測定されていなければならない。

 

透明度は2つの方法で測定される。透明度の絶対値を調べるためのレーザーとCCDカメラを用いた直接測定。それから、1週間程度の時間尺度で透明度を確認するための、スーパーカミオカンデで観測される停止ミュー粒子の崩壊電子あるいは貫通ミュー粒子を用いた間接測定、である。

 

直接測定

図1に、水の透明度の直接測定のシステムを示す。それはレーザー、拡散ボール、CCDカメラより成る。光源は窒素レーザーと色素モジュールである。この色素モジュールは337nmから600nm 範囲で単色光をつくり出せる。光は2つに分離され、1つは光の強度をモニターする2インチPMTへ行き、他方は光ファイバー経由でアクリルの拡散ボールへ導かれる。ボールの中で光を拡散するのにMgOが使われている。拡散ボールから出る光はCCDカメラで受ける。図2はCCDカメラで撮影された拡散ボールからの光の写真である。CCDカメラを使う利点は、拡散ボールからの光の強さを測る時に、画像上の拡散ボール領域だけを使えば散乱光の影響を除去できる、という点である。

図1:水透明度の直接測定システム。
図2:CCDカメラで撮影した拡散ボールからの光の写真。

CCDで受ける全光子数を測定し、モニター用PMTの信号データで規格化する。例えば図3は波長400nmの光で得られた結果である。図から導出される透明度は72.09mである。この測定はいろいろな波長について行なわれ、 結果が表1にまとめられている。

図3:水透明度の直接測定の結果の一例。横軸は拡散ボールとCCDカメラの距離、縦軸はCCDカメラで検出され、モニター用PMTで規格化された電荷である。波長は400nm。
表1:種々の波長(wavelength)の光による直接測定で得られた水透明度(water transparency)。

CCDで受ける全光子数を測定し、モニター用PMTの信号データで規格化する。例えば図3は波長400nmの光で得られた結果である。図から導出される透明度は72.09mである。この測定はいろいろな波長について行なわれ、 結果が表1にまとめられている。

 

上記の方法だと、通常の測定を停止して水の透明度の測定を行わなくてはならないことなどのため、SKIの後半からSKIIにかけて、もうひとつ別の水の透明度の測定手段を導入した。これは波長の決まったレーザー光のビームを入射することによって行われる。図4は典型的なレーザーによる水の透明度測定のデータを示す。

図4:典型的なレーザーによる水の透明度の測定データ。この場合、ライトインジェクター(光の出射装置)はSKタンクの天井から下を向いており、底面に光を打ち込んでいる。黒い丸が光を受けた光電子増倍管を示す。

図5には、ライトインジェクター(光の出射装置)の写真を示す。ここから出る光は非常に弱い光であり、SKのデータ収集の間にも周期的に様々な波長の光を入射している。

図5:水の透明度測定のためのレーザーインジェクター

この方法でどうやって水の透明度を決めるかを述べる。水の透明度は、散乱と吸収によって決まる。図4のデータを見てもわかるように、側面にも光がかすかに検出されていることがわかる。これらはビーム軸から離れた方向に光が散乱されたことを意味し、すなわち散乱の情報を得ることができる。また、散乱した光が光電子増倍管に到達した時間もわかるため、水中での散乱確率が一様だと考えれば、散乱光を得た時間分布をシミュレーションと比較することにより吸収の効果を抽出することもできるのである。

図6:SKIIで導入された、8つのライトインジェクター(韓国グループ担当)

このようなデータを収集するために、SKIIからは8つのライトインジェクターがSKタンクに装着され、継続的にデータが取られている。図6にライトインジェクターのタンク内での位置を示す。これらのデータは、水の透明度を決める散乱吸収の量を決めること、水の透明度が時間とともに安定であること、タンク内部の水の透明度に差があるかないかなどを分析するために非常に有効に使われている。

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