トリガー効率
太陽ニュートリノ観測は、エネルギーが低ければ低いほど観測できる事象数が 増えるため観測精度が高くなる。 一方、低エネルギー領域では、放射性不純物のバックグラウンド事象も飛躍的に 増加する。スーパーカミオカンデでは、フロントエンド電子回路の処理能力や 計算機システムの解析能力を考慮して、事象を取り込むためのトリガー条件 が決められた。以下にスーパーカミオカンデ-Iでのトリガー効率の変化をまとめた。
| 名 称 | 期 間 | ハードウェア閾値 | トリガーレート | トリガー効率 |
|---|---|---|---|---|
| LE | 1996年4月から | -320mV | 20Hz | 5.7MeV@50% |
| SLE1 | 1997年5月から | -260mV | 100Hz | 4.7MeV@50% |
| SLE2 | 1997年9月から | -222mV | 500Hz | 4.2MeV@50% |
| SLE3 | 1997年9月から | -186mV | 1700Hz | 3.6MeV@50% |
実験が始まった当初は、ハードウェアによる Low Energy(LE)トリガーのみ であったが、その後、第2段階の事象選択システムとしてソフトウェアによる トリガーを導入しSuper Low Energy(SLE)トリガーシステムを構築した。 このソフトウェアトリガー(Intelligent Trigger, IT)は、検出器の 有効体積外で発生した事象をリアルタイムに判定して除去する。 ITシステム用の計算機の性能が高くなるにつれて、 SLEトリガーも徐々に敷居値を下げてきた。 スーパーカミオカンデ-Iでは、最終的に3.6MeVで50%のトリガー効率を達成した。
トリガー効率の測定にはDT較正システムが使われる。 図1は、各観測期間中に得られたトリガー効率のデータを示す。 スーパーカミオカンデ-Iでは、太陽ニュートリノの解析エネルギー敷居値は5.0MeVであるが、LEトリガーの時期のみは、トリガー効率が十分高くなかった ため、解析エネルギー敷居値を6.5MeVに設定した。
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図1:各観測期間のトリガー効率の測定結果。 (黄緑:LE、緑:SLE1、黄:SLE2、オレンジ:SLE3) |

