International Workshop on Low Energy Solar Neutrinos

News Letter

低エネルギー太陽ニュートリノ検出に関する国際会議が平成12年12月4,5日東京大学山上会館にて行われた。今回は2回目となるこの会議だが、国内外から100名近くの研究者が集まり、大変内容の濃い研究会であった。以下に報告をする。          

<会議の意義>

 これまで30年にわたり太陽ニュートリノの観測と理論的計算の間には有意な違いが 存在し、「太陽ニュートリノ問題」と呼ばれている。 この問題の最も有力な解として考えられるのがニュートリノ振動であるが、現時点では ニュートリノ振動が生じている決定的証拠を得られていない状況にある。 これを観測できれば、素粒子物理学における意義は甚大である。 この会議の主題である低いエネルギーの太陽ニュートリノは、理論的計算の精度が 高い上に、ニュートリノ振動による特徴的な影響を受けやすい点で太陽ニュートリノ 実験にとって極めて重要性が高い。

この会議の開催の意義は、これらの実験を進める世界中の研究者を一同に会し、それぞれのグループの進展を報告し、問題点を議論し、技術情報等の交換を行うことにあった。 本会議では、幾つのもグループで独立に行われている実験技術を交換することを行い、 各グループにさらなる進展をもたらす重要な議論が行われた。

 

<会議の内容・成果>

  最初にニュートリノ振動の現象論的議題から開始された。 それに引き続き、低エネルギー太陽ニュートリノ観測実験として世界各国ですでに開始されている実験や、予定されている実験の進捗状況について報告、議論された。 大きくわけて、ニュートリノを原子核によって吸収させる実験と、電子との散乱を 利用した実験がある。 この中でも特に当研究施設が研究段階に入っている液体キセノンを利用した太陽 ニュートリノ検出器が注目を浴びた。

また低エネルギー太陽ニュートリノ実験に関連した研究課題や検討議題が次々に発表され、世界全体に広がっている当分野における観測実験の技術を相互に結び付けて大きな方向づけを行う可能性を示した。この点では当研究施設がこの会議を開催したことは非常に意義が大きく、大きな成果をあげたといえる。

実際、この会議が終了したあとも、会議に対する感想が多数寄せられ、実験の側面も 理論的な側面もバランスのとれた極めて印象深い会議であったとの賛辞もいただいて いる。 これはこの会議で行われた議題のそれぞれが、この種の実験にかかわるものに対しては ともに極めて重要なことであり、かつそれらのそれぞれに対して十分な議論を尽くせる 時間をとったことがこれだけの充実した会議になった理由だと考えられる。