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カミオカンデ(KAMIOKANDE)

 


ball.gif (1653 バイト)神岡地下観測所について  ball.gif (1653 バイト)研究目的  ball.gif (1653 バイト)研究方法  ball.gif (1653 バイト)研究成果


 

神岡地下観測所について

現在の東京大学宇宙線研究所 神岡宇宙素粒子研究施設の前身である神岡地下観測所は、昭和57年に建設が始まり、58年4月完成しました。実験の目的は、素粒子物理学の最も基本的な問題である物質の安定性を追求するものでした。

神岡地下観測所は岐阜県神岡鉱山の地下1,000メートルの深さのところにあり、観測装置(カミオカンデ Kamioka Nucleon Decay Experimet)は、直径15.6メートル、高さ16メートルの水槽に純水3,000トンを満たし、高速荷電粒子が水中で発するチェレンコフ光を捕らえて、水槽内で起きた様々な現象を観測します。水槽内壁には、この実験のために特に開発された、直径約50センチの光電子増倍管を約1,000個、1平方メートルに1個配置してあり、この光電子増倍管でチェレンコフ光を捕らえます。

昭和60年からは第2期の実験として宇宙から飛来するニュートリノと呼ばれる素粒子を観測するため、装置の改造が始まりました。昭和62年2月、改良作業の結果、感度が飛躍的に上がった装置は、大マゼラン星雲中で起こった超新星爆発からのニュートリノを観測することに成功、大きな成果となりました。また昭和63年には太陽からのニュートリノを観測し、ニュートリノ天文学、素粒子物理学において、大きな進歩となりました。


研究目的

ニュートリノの研究
神岡地下観測所では、超新星爆発の際に放出されるニュートリノや、太陽からのニュートリノを観測しました。ニュートリノを観測すれば光では観測不可能な星の中心部を直接研究することが可能になります(ニュートリノ天文学)。またこれらのニュートリノの観測によりニュートリノ自体の性質も明らかになると期待され、現在も新装置スーパーカミオカンデ(Super-Kamioka Neutrino Detection Experiment) によって観測が続けられています。このように天体ニュートリノの観測は天文学及び素粒子物理学にとってきわめて重要なことであり、現在も神岡実験の主な目的の一つです。

大統一理論の検証
また、素粒子間に働く力の内重力以外の全ての力を統一する大統一理論は物質を作る陽子が自然に崩壊すると予言します。そこで神岡実験では、測定器中の水分子中の陽子が崩壊するか否かを常に監視しています。陽子の崩壊が観測されれば大統一理論の正しさが示されたことになり、素粒子物理学にとってきわめて重要です。このように神岡実験では素粒子の大統一理論の検証も重要な目的の一つです。


 

研究方法

電子やパイ中間子などの荷電粒子の検出にはいろいろな方法がありますが、私たちは荷電粒子が水中を高速で走るときに発生する青白いチェレンコフ光 (cerenkov light) という光を検出しました。

チェレンコフ光が壁に当たるとドーナツ状の光の輪が出来ますので、壁に光センサー、特に感度の良い光電子増倍管を多数取り付けてのこのドーナツ状の光を検出します。

光の強さから荷電粒子のエネルギーが、そしてドーナツの輪の形や、光が光電子増倍管に届く時間などから荷電粒子の位置や進行方向が決定できます。

従って測定器は大きな水槽を作り、その内面に多数の光電子増倍管を取り付ける構造になりました。

観測のじゃまになる宇宙線をさけるため、測定器は地下深くに設置されています。


 

研究成果

ani_057.gif (474 バイト)超新星からのニュートリノの検出

1987年2月23日、神岡実験は大マゼラン星雲で発生した超新星爆発によるニュートリノを11例、世界で初めて観測しました。これは、ニュートリノを観測手段とするニュートリノ天文学の幕開けといえます。

この超新星爆発は、太陽の約20倍の質量を持った星が、その一生の最後に起こした大爆発でした。このとき、太陽が45億年間に放出する全エネルギーが、約10秒間にニュートリノとして放出されたことが分かりました。これは、超新星爆発に関する天体物理学の予想とほぼ一致していました。また、この観測によりニュートリノの質量の上限(約20電子ボルト以下)が得られるなど、素粒子物理学へも非常に大きな貢献をしました。

 

cut_194.gif (2095 バイト)太陽ニュートリノの観測

太陽は核融合反応によって輝いています。この反応の際、ニュートリノも放出され我々の地球に降り注いでいます。太陽から来るニュートリノの観測は、神岡実験以外には、今までただ一つだけ行われていました。驚くべき事にこの観測では、ニュートリノの数は理論予想の約1/4しかありませんでした。この事実は「太陽ニュートリノの謎」として長い間研究者を悩ませ続けてきました。

神岡実験では、1987年始めから1990年春までのデータを解析して太陽ニュートリノの観測に成功しました。。観測された値は、理論予想の約45%で、やはり予想されているほど太陽ニュートリノは来ていないことが分かりました。

 

陽子は壊れるか?

素粒子物理学の目的は、物質と力の根元の研究にあります。今日では、物質の基本粒子はクォーク(3個で1個の陽子や中性子になる)とレプトン(電子やニュートリノ)であることが明らかになっています。一方、自然界には、重力、電磁力、弱い力、強い力という4種類の力が存在しますが、最近電磁力と弱い力は、統一できることが明らかになりました(電弱理論)。さらに素粒子物理学者は我々の常識を遙かに越えた超高エネルギーの世界では、重力以外の全ての力が統一されるものと考え、これを大統一理論と名付けました。大統一理論が正しければ、物質を作る陽子も永久不滅ではなく、崩壊するはずです。

当初の予想では、陽子の寿命は1032年でした。しかし、神岡実験では、陽子の寿命は(陽子が陽電子とπ゜中間子に崩壊する場合)2.5X1032 年以上という結果を得ています。この結果は最初考えられた最も単純な理論モデルを否定してます。


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