森山 茂栄 教授

専門分野

暗黒物質探索実験、スーパーカミオカンデでのニュートリノ・核子崩壊の研究、ハイパーカミオカンデ計画の推進

今、行っている研究内容

身の回りの物質は原子や分子で出来ていると学んできましたが、宇宙を見るとそれが間違っていることが分ってきました。天文学的な観測によって、宇宙を満たす物質の殆どは暗黒物質、もしくはダークマターと呼ばれる未知の物質であることが確実になってきたのです。現在の最大の課題は、その暗黒物質が、未知の素粒子であるかどうか、もし素粒子であるとすればその正体はなにかを知ることです。それにより、宇宙のことをより深く理解することに加え、素粒子物理学の研究も大きく進展する可能性があると期待しています。

さて、その研究の具体的方法は何でしょうか。暗黒物質は銀河にも大量にまとわりついていることが観測的にも知られているため、もしそれが未知の素粒子であるとすると我々の周りにもぶんぶん飛び交っていることになります。それら素粒子は、希に通常の原子や分子とも衝突すると期待されています。そのような衝突現象の探索が、世界中で進められています。これまでの実験では用意した原子や分子の量が足りないことや、衝突現象と見間違うノイズが多かったため、まだ皆が認める発見には至っていません。神岡施設では、約1トンのキセノンを用いるユニークなXMASS検出器で暗黒物質探索を進めてきました。本研究室ではその経験を活かして、世界最高の感度で暗黒物質の発見を目指す国際共同実験XENON実験の検出器建設に参加し、2019年度に運転開始、5年間程度のデータ収集とデータ解析を予定しています。本研究室では、このように暗黒物質の発見を強く期待しながら研究を進めています。

本研究室はスーパーカミオカンデを用いた研究を行っています。主として検出器の特性を良く理解することによって物理の成果の正確さを下支えする研究をしています。現在2019年度より開始する超新星ニュートリノ観測のための準備も進めています。このように、神岡でユニークな研究を進めることできます。

ハイパーカミオカンデ計画は、スーパーカミオカンデの性能を1桁上げた実験の遂行です。陽子が崩壊することが観測されれば、物理学を超えた世界観の変革が迫られるでしょう。ニュートリノと反ニュートリノの性質に差があれば、宇宙にどうして物質だけが残っているのかが理解できるかもしれません。人類の究極の問に答えることのできる実験が、まさに始まろうとしています。今後数十年にわたり大きな成果が期待される研究を推進しています。

これらの研究はスケールが大きいものですが、個々の研究者の優れたアイディアと技術が欠かせません。小型の実験で暗黒物質の探索を効率よく行う工夫も重ねています。素粒子の分野まだまだ工夫次第で面白い研究を進められる可能性が沢山残されており、良いアイディアがあれば進めたいと考えています。

今後5年で何が面白く、入学したら何ができるか

暗黒物質探索に興味があれば世界最先端のXENON実験に参加することができます。神岡グループがXMASSやスーパーカミオカンデで培った技術を取り込んで、イタリア・グランサッソで世界中の研究者とともに研究を進めます。2019年に開始するデータ収集・データ解析に関わるだけでなく、運転を開始した後に性能を最大に発揮できるハードウェアの開発にも携わることができます。

さらに感度を上げるための工夫を取り入れた次世代検出器を神岡で実現することも目指しており、その開発研究に参加することもできます。自ら開発した装置が運転を開始し、暗黒物質の信号を見つけることができたら何より面白いことですね。

もちろんスーパーカミオカンデでの研究や、ハイパーカミオカンデに必要な研究開発にも携わることができますので、近くにいる先輩・同僚・国際研究メンバーとともに様々な興味を満たすことができます。

これらのテーマを元に修士論文・博士論文を執筆することを考えることができます。

学生さんへのメッセージ

研究者になりたいかどうかに関わりなく、学生さんがトータルな力を付けることができるためには、ハードウェアもソフトウェアも経験でき、全貌を理解しながら研究を主体的に進めることが一番の早道です。本研究室が推進している実験は全てこれらの条件を満たします。宇宙にも素粒子にも深く関わる研究分野で研究を行いたい方を歓迎します。

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