岸本 康宏 [ kisimoto_at_km.icrr.u-tokyo.ac.jp]

専門分野
暗黒物質探索実験,ニュートリノ実験,実験装置の開発研究
今、行っている研究内容
現在,暗黒物質の探索実験を行っています.最新の研究によると,我々の宇宙の中で,今までに観測されている物質は約4%に過ぎず,その5,6倍の未知の物質である暗黒物質で占められていると考えられています.この暗黒物質を1トンの液体キセノンを用いた検出器で直接探索しています(XMASS実験).
スーパーカミオカンデ(SK)を用いて,ニュートリノ観測を行っています.特にSKにガドリニウムを溶解させ,中性子をタグすることで過去の超新星爆発で生じたニュートリノを観測しょうと試みています.
暗黒物質もニュートリノもどちらも反応断面積の非常に小さい稀事象であるために多量のバックグランドから信号を抽出する必要があります.そのためには,測定装置そのものの改良や開発が必要となります.現在進行中の実験の性能向上や,将来の実験計画のための準備のため,実験装置の開発研究も積極的に行っていきます.
今後5年で何が面白く、入学したら何ができるか
XMASS実験は始まったばかりです.暗黒物質は,銀河,銀河団と言った宇宙の大規模な構造と密接にしており,その謎を解く鍵となる実験が始まったのです.
また,SKにガドリニウムを導入して性能向上を図る計画は,まだ実証実験の段階ですが,これが実現すれば,過去の超新星爆発で生じたニュートリノを測定することで,宇宙の恒星の歴史を探ることが出来ます.
大学生のうちは「教科書を読む」ことが主体でしたが,大学院では,最先端の研究を通じ「教科書を書き換える」作業の一端に関わることが出来ます.
さらに,XMASSやSKの性能向上のために,様々な装置の開発を行います.これらは,多くの場合,装置の計画・デザインから組み立てまで,全てを自分の手で行う必要があります.これは実験物理を行う上で最も貴重で,また,最も楽しい体験となるでしょう.
学生さんへのメッセージ
神岡は,東京からは離れていますが,素粒子実験物理学の最先端に最も近い場所です.一緒に研究を進めていきましょう.




